小さな命を救いたい!

センターで子猫を育てる

センターでは過去数年間にわたり様々な日齢の子ネコを育て、育成データを取りました。 その結果、センターの施設設備、財源、スタッフの数、感染症制御(密にならない収容頭数)、もらってくれる人の数(需要)、などの状況の中で、 「センターで管理できる子ネコの範囲」が以下のとおりわかってきました。

  • 搬入時の体重がおおむね400g以上であること
  • 搬入の時点で感染症を疑う症状がないか、軽度であること
  • センターのキャパシティを超えていないこと(感染症制御をしながら健康に管理できる頭数内である)

「育ボラ プロジェクト」誕生!

譲渡前講習会でのアンケートと譲渡データ分析から、子ネコを欲しい人は成ネコを欲しい人よりもずっと多いことがわかりました。 わたし達は、すべてを助けてあげられないのであれば救える命の数を増やしたいと考えました。
「もらわれる可能性の高い子ネコをたくさん譲渡に出したい。センターで育てられる限界を超えた分は県民の皆さんに協力をお願いして育ててもらおう。」
愛護センターでは、管理上限を超えた子ネコを育成ボランティアさんに育ててもらう事業として、『子猫育成ボランティア事業(育ボラプロジェクト)』を平成30年に立ち上げました。

約20名の「育成ボランティアさん」が子ネコを育ててくれています

立ち上げから2年間は、体重450~600g、生後5~7週程度の子ネコを育成ボランティアさん(育ボラさん)に預け、育ててもらいました。 愛情たっぷりに育てられ健やかに成長したたくさんの子ネコたちが、新しいご家庭へ譲渡されていきました。 令和2年度は、より小さな子ネコ(体重200~450g、生後10~35日程度)を対象とする「ミルクボランティア」を開始しました。

主婦の方、お仕事をされている方、お仕事を引退されたご夫婦など、いろいろな方がこのプロジェクトに参加しています。 また、北里大学の獣医学部の協力により、獣医学部学生の育成ボランティアさんもいます。

哺乳瓶でみるくを飲ませてもらうキジトラ仔猫

授乳

コットンでお尻を拭いてもらい排尿させてもらっているキジトラ仔猫

排泄の補助

スタッフの服の中に入りカンガルーケアーをしながら餌を食べさせてもらうキジトラ仔猫

離乳

育ボラさんから、新しい飼い主さんへ

(グラフはclickで拡大できます)

縦軸:センターに来た時の体重
横軸:収容した日
丸の大きさ:1群の頭数

殺処分または死亡した子ネコ
譲渡された子ネコ

子ネコは2~6頭兄弟まとめて保護されることが多く、これを1群と数えます。子ネコは春から秋(ネコの繁殖時期)に多くなります。400gに満たない幼いネコが多数いることがわかります。
センターで育成の難しい 200~550g の子ネコの多くは、育ボラさんに育てて頂いたのちに譲渡されました。

「育ボラBook」と「資材」と「カルテ」

センターと育ボラさんをつなぐ大切なもの。「育ボラBook」と「資材」と「カルテ」をご紹介します。

ミルクボランティアのためのマニュアル

育ボラBook
給餌やケージセッティング、カルテの記載方法、体調管理やネコの生態など、育成に必要な知識をまとめたマニュアルです。

抜粋を読む
ミルクボランティアの資材とエサ

資材
子ネコの体重や発育、健康状態に合わせて、その子にあったものをお渡しします。

  1. 450g以上の子ネコのエサ
  2. ミルク期の子ネコのエサ
  3. ミルク~離乳期の資材
  4. 450g以上の子ネコの資材
ネコのカルテ

カルテ
育ボラさんに毎日の記載してもらいます。体重増減や体調を、センターと育ボラさんが共有するためのアイテムです。

青森県動物愛護センター