STORY 4 「望まれない命を作らないために」

※スペーサー

北里大学 獣医学生

仔猫育成ボランティアに参加し多くのことを学ばせて頂くことができました。

仔猫を育てるにあたって必要なものは全て愛護センターで用意して頂けたため、育てやすい環境で不自由なく育てることができました。 仔猫を育てて嬉しかったことは、仔猫たちが日に日に成長していく様子がわかることでした。 体重が順調に増えて体が大きく育っていくことはもちろん、高い所に登るのを怖がっていた子が兄弟の登る姿をみて次第に登れるようになったこと、 上手に爪研ぎができるようになったこと、人見知りをしていた子が初めて会う人にも物怖じしなくなったことなど、 日々小さな成長が見られることにやりがいを感じました。
元気に育ってお別れをする時は寂しい気持ちになりますが、 無事に譲渡されたことをInstagramなどで知る時はとても安心します。 また、新しい飼い主さんからお礼のお手紙を頂いた時は育成ボランティアをして良かったと思い、今後の励みになりました。

※スペーサー

私が育てた仔猫たちは、人の都合で親猫から引き離された猫でした。

動物を飼う準備ができていないのに飼ってしまったり、子どもが産まれるリスクに対する人の覚悟の不足といったことが 動物遺棄が減らない原因であると思います。最近では多頭飼育崩壊がメディアでも話題になっています。 その結果、不衛生な環境による感染症の危険や人を怖がってしまう犬や猫がいるというのも事実です。
猫においては、元々飼われていた猫が脱走して野良猫になってしまうことが少なくなく、 その猫が避妊・去勢をしていないため仔猫が産まれてしまうことも動物愛護センターに収容される猫が減少しない一因だと思います。 避妊・去勢は、動物にとっては望まれない命を作らないために大切なことです。 避妊・去勢の正しい認識を多くの人が持つことで動物遺棄の減少につながると思います。

※スペーサー

動物と共に暮らすということは簡単なことではありません。

人は自分の生活様式が動物と暮らすことに適した環境にできるかをよく考え、 困難な場合は飼わないという選択肢も動物に対する愛情の一つだと思います。 動物たちは人に癒しを与えてくれますが、同時に人も動物にとってかけがえのないパートナーとなることが大切です。 一つの尊い命を大切に思う気持ちや、動物と共に暮らす上での正しい知識や考え方を私自身も学びましたし、 また、このボランティアを通してより多くの人に理解や関心を持っていただくことができるように努力していこうと考えることができました。

青森県動物愛護センター